(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
松本大策のコラム
急に冷え込んじゃったから

コラム一覧に戻る

2024年3月2日

 1週間ほど前は、春が来たか?と思うほど暖かかったのに急にめっちゃ冷え込んできましたね。先週月曜日に講演した後で沖縄のコンサルだったので、薄着していって、向こうではTシャツ1枚だったので、木曜日の夜に栃木帰ってきたときは薄着とパーカー1枚で、しかも気温は0℃で雪は舞っているし、死ぬかと思いました。

 人間はこういうとき、暖かいところに逃げたり服を着たりできますが、飼育されている牛さん達はそういうこともできません。とくに哺育の子牛達は体温調節が苦手なのと、十分に体温産成ができないため寒さで弱ってしまいます。
 ですからこれは人間の方で対応してあげなくちゃいけません。とはいうもののもう2月も終わりで、もうすぐ暖かくなるしなーという気持ちも理解できます。

 本格的に牛舎を暖かくしたり、カーフジャケットを購入したり、等には抵抗もあると思います。今回は、今月初めに伺った兵庫の友人のところで、急に冷え込んで子牛が弱っていた事例を紹介したいと思います。
 それまで比較的暖かかったのに数日前から急に冷え込んだために、2ヶ月齢未満の子牛達がとても寒そうにしていて弱っていました。マイコプラズマ性肺炎を発症している子も散見され、早急に対策を打たないといけないと考えました。
 治療方針はすぐに立てましたが、保温対策をしないといたちごっこです。畜主である友人に話して簡易な保温部屋を作ろうと話したところ、そこらにあったコンパネにドリルで穴を開けて、結束バンドでとめるだけ。あとはブルーシートをかぶせてこたつのヒーター(シートとの間には石膏ボードや板で万が一にも火事が起こらないようにしなくてはいけません)を吊り下げました。

 これだけで十分暖かくなり、子牛達も元気になりました。ちょっとしたことで改善するので、やるかやらないか?ですよね。

|