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蓮沼浩のコラム
第768話:食料・農業・農村基本法の改正

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2024年2月27日

令和6年の第213回国会において、食料・農業・農村基本法を改正する案が提出されます。日本に農業基本法が制定されたのが1961年。それから38年後の1999年に農業基本法が食料・農業・農村基本法となりました。そして2024年、つまり今年になって約25年ぶりに大幅にこの食料・農業・農村基本法が改正されます。

過疎・高齢化が超身近であり、自分も老眼鏡が離せなくなり高齢化してきている田舎鼻糞獣医師といえども、農村の最前線で働いており、食料・農業・農村に係っている身として今回の改正は無視することが出来ず、ものすごく注目してしまいます。どんなことがこれから決まっていくのだろうか・・・。

と、いうわけで少し資料を集めてみました。

・食料・農業・農村政策審議会 答申(令和5年9月)
・不足時における食料安全保障に関する検討会とりまとめ(令和5年12月)
・緊急事態食料安全保障指針(局地的・短期的事態編)(令和3年7月)

結構ボリュームがあり、読むのが大変でしたが頑張って読んでみました。

結論から言うと、危機感が半端ない内容でした。文章から農水省が相当焦っているのがわかります。つられて読んでいた自分も焦りました。

もう、ありとあらゆる「ヤバい」未来に対する方針というのか方向性を立てているのですが、特に力を入れているのが「食料安全保障」に感じました。

単純に考えても、2000年当時に約60億人だった世界人口が2022年には79億人になり、2050年には97億人になると試算されています。そりゃ、農業の技術革新があったとしても食料が足りなくなるリスクは高くなります。

その他に注目したポイントとして

気候変動による干ばつ等の異常気象の頻度と被害規模の増大
家畜伝染病や植物病害虫の侵入・まん延リスクの増大
新たな感染症の発生リスクの高まり
世界情勢の変化による食料安全保障にかかる地政学的リスクの高まり
穀物等の畜産需要や食用以外の需要の増加
輸入競合リスクの増大と世界における我が国の経済的地位の相対的な低下

ぜ~~~~んぶ、小生は肌感覚としてよく理解できます。

これ以外にも農村人口減少やその他もろもろの問題がどっさり紹介してあり、難問が山積しています。どれもスケールが大きすぎて、とてもじゃないけど自分ではどうすることもできずギブ・アップ。結構内容がディープなので、気分がめいります。あまり読まない方がいいかも・・・。

小生の結論

「食料・農業・農村基本法の内容を理解したうえで、自分の出来ることを、毎日粛々とやる」

以上です。
 
 
 
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