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加地永理奈のコラム
100均のサポーター

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2024年2月14日

体型が大きく生まれた子牛は、他の子牛と比較して、出生後立ち上がるまでに時間がかかることがあると思います。

左後肢にこの褥瘡(床ずれ)を作ってしまった子牛も、出生時の体型が大きく、娩出までに何時間もかかる難産で生まれた子牛でした。
生後2日目から徐々に自力起立と歩行が可能になり、ミルクもどんどん飲むようになりましたが、生後3週齢でこの褥瘡が発見され、マイコプラズマ性の関節炎で起立しにくくなっていたことがわかりました。

褥瘡の治療では、「褥瘡【 pressure ulcer 】のケアをしてみました」の動画でも紹介されているように、包帯を巻いて患部を保護します。
この子牛も、モクタールを塗布し、フワフワの緩衝材をあてた上に包帯を巻いてテーピングをしました。

その後こちらの農場では、スタッフさんが巻きなおしをしてくださることになり、巻きなおしが簡単になるように100均ショップのサポーターを使用して巻いてみました。
使用したのはサポーター足首用です。人間のかかとは牛の飛節にあたるので、かかとのための穴がちょうど良くフィットしてくれました。ただこの子の場合、これだけでは褥瘡の位置の下側の保護が不十分であったため、同じサポーターのひじ用を重ねました。

さらにガムテープで上下を止めればさらにズレにくかったかと思いますが、足首用サポーターが子牛の脚にもフィットすることがわかりました。
包帯による保護は少しコツが要るので、こういう商品を用いて簡易にすることも一つの方法として良いと思います。
 
 
 
今週の動画
盗食(とうしょく)

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