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加地永理奈のコラム
抗生物質と生食の懸濁

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2024年2月7日

那須塩原含め関東で積雪がありました。物流にも影響が出ていたので、OPUに必要な培養器の発送ができるか心配でしたが、無事に実施できました。インフラに感謝です。
雪の中外に出してもらってはしゃぐ子牛を見るなどして、私も雪を楽しみました。

先日、マイコプラズマによる中耳炎を発症してしまった子牛の治療として、全身投与にマルボフロキサシンの静脈内注射と、中耳洗浄の処置をしました。
中耳洗浄では、マイコプラズマに効く抗生物質を少量、生理食塩水に混ぜたものを使用します。
しかし、マルボフロキサシンと生理食塩水をうっかり混ぜてしまうと、写真のように白濁、キラキラしてしまいます。

マルボフロキサシンは本来透明で薄黄緑色のような色で、生理食塩水はもちろん無色透明です。混ぜてこのように変化してしまったものは使用できません。
抗生物質によっては生理食塩水と化学反応を起こし、白濁したり沈殿物をつくったりします。
中耳洗浄や点眼の処置のために抗生物質を生理食塩水と薄めて使う場合や、点滴のボトルに抗生物質を混ぜる場合には注意が必要です。
混ぜる予定の抗生物質と補液を、事前に少量ずつシリンジに吸引し変化を観察すると良いでしょう。生理食塩水、重曹、ブドウ糖など、補液が変わることでも変化が異なる場合があります。
こちらの動画も参考にしてください。
Check before mixing. ミキシングについて
 
 
 
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