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蓮沼浩のコラム
第766話:気が付いたら隣に来ていた

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2024年2月13日

日本にとって、農産物の海外輸出は非常に重要なポイントとなっています。そして、それと同時に、いわゆるインバウンド消費というものも日本の内需を支えるためにとても大切になっています。春節の時期などは多くの方が日本に来ています。小生は出張することが結構多いので、新幹線や飛行機の移動時にお客さんの込み具合や、外国の方の割合などをざっくりと見て感じるようにしています。また、宿泊施設ではさりげなく外国人の旅行客の状況を聞くようにしています。ちなみに直近の話では宿泊客の6割が海外の方であったと聞きました。また、英語だけでなく中国語、韓国語、タイ語まで話すスタッフの方がいてビックリ仰天しました。多くの国との関わり合いの中で日本は存在しているとつくづく思います。

そんな事を考えていたら、先日あるニュースが流れてきました。

「アフリカ豚熱が韓国で急拡大 農水省が水際対策強化へ」

小生、かつて2018年8月に第531話でアフリカ豚熱に関して、家畜保健衛生所の先生から説明を受けたというコラムを書きました。その時はハンガリーで発生したとの報告でした。相当遠いし、まだ大丈夫だろうと思っていたらあっという間に中国で大発生。その後日本のお隣韓国でも発生しました。しかし、何とか踏ん張って防疫を頑張っていたけれども、今年の1月末から2月にかけて一気に12件の発生報告。おまけに発生場所が目と鼻の先の釜山なり。イノシシが感染を広げているといわれていますが、本当に野生動物対策は難しいです。

気が付いたら東欧から6年ほどで、極東の外れまで広がってきました。ついに来たかという感じです。

インバウンドは非常に大切です。日本の観光業等に大きな影響があります。しかし、アフリカ豚熱などの伝染病は・・・来てもらっては困ります。やれることといったら、防疫をとにかく頑張るしかないという非常に厳しい状況です。

そんなことを思っていたら、2月12日の南日本新聞の朝刊に「南さつま鳥インフル陽性 種鶏1万3000羽殺処分」との見出し。

こちらは野鳥が相手です。本当に伝染病はやっかいです。
ただ、久しぶりにヨーロッパのアフリカ豚熱の広がり具合の分布図をみていたら、かつて発生して問題となったハンガリーが防疫頑張っているんですよ。養豚場での発生ゼロ。思わず地図見てエールをおくりました。
 
 
 
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