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藤﨑ひな子のコラム
PCR

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2024年2月2日

 2月のはじめですが、今年の冬は暖かい日が多いせいか、桜が咲いている所もありました。寒暖差についていくのは、なかなか厳しいですね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

 前回のコラムでは感染症の検査の1つである「ELISA」についてお話ししました。今回のコラムでは、「ELISA」とは異なる検査方法である「PCR」についてお話します。

 「PCR」とは、ポリメラーゼ連反応(Polymerase Chain Reaction)といい、遺伝情報を持つDNAを複製して増幅させる方法のことをいいます。PCRを利用することで、微量の検体からも目的の遺伝子配列が存在しているかを知ることができます。PCRを感染症の検査として用いる場合、PCRによって病原体に特異的な遺伝子配列を増幅し、主に「病原体が存在するか」ということを調べます。試料中のサンプルでPCR陽性となった場合、サンプル中に病原体が存在するということがわかります。一方陰性となった場合、サンプル中に病原体が存在しない、または検出できる最低量よりも少ない、ということがわかります。シェパードではPCRによる病原体の検査は行えないので、家畜衛生保健所などにお願いしています。

 今回のコラムではPCRの原理と結果の解釈についてお話ししました。しばらく検査に関するお話が続きますが、お付き合いください。
 
 
 
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