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橋本匠護のコラム
満月の日は、子牛が生まれやすい!?

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2024年1月29日

とある繁殖農家さんが分娩予定日近い母牛に関して、こんなことを仰っていました。「大潮近いから、子牛産まれるかもなぁ~」と。ほお!

確かに、そんな話聞いたことあります・・・。そこで、調べてみました!

すると月の満ち欠け(≒潮の状態)は、牛の分娩タイミングに影響するという報告が。これによると、「満月の期間、経産牛において分娩が有意に増加した」とされています。
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0161735


a.全体 b.未経産牛 c.経産牛

なぜ、このようなことがおこるのでしょうか??詳細なメカニズムに関しては現在調査中とのことですが、論文中ではメラトニンが関係していると考察されています。メラトニンとは睡眠ホルモンとも呼ばれ、光刺激が弱まると分泌が亢進します。また分娩との関連も報告されておりヒトにおいては妊娠末期にメラトニン分泌が増加し、分娩時に急速に低下するとされているそうです。

もし光刺激やメラトニンが関係しているのであれば、牛舎構造、立地、照明の有無などにより結果は変わります。さらに、月の満ち欠けは分娩タイミングに影響しないとの報告もあります。

ですが、個人的には月の影響はあるのでは?と思っていますので、満月の日は少し身構えてもいいのかもしれません。笑


↑先日撮影した2024年初の満月、ウルフムーンって言うらしいです
 
 
 
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