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松本大策のコラム
生産性を阻害する要因(病気)を抑える(8-3)

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2012年5月14日

- 第8章 下痢について考える その3- コクシジウムのお話し(1)

 みなさんコクシジウムについては、よく知っているし悩まされている方も多いと思います。
 しばらくこのやっかいなコクシジウムについて考えていこうと思います。

 子牛のコクシジウム症は、タンパクの高い(ある意味良質の)餌を使うと増えるケースがあります。良質の餌を使いながら、高タンパクの粗飼料を併用すると、さらに被害が出やすくなります。
 ですから、そういう農場では特にコクシジウムの予防を徹底的にしないといけません。

 あと、コクシジウムというと「血便」だと思っている人が多いのですが、血便の原因の一番はクロストリジウムという鳥が運ぶバイ菌です。鳥が来る牛舎には血便が出やすい、って言うでしょ?鳥のコクシジウムは牛さんには感染しないんですよ。

 ちなみに二番目は、アスペルギルス・フミガダスというカビが、腸に生えることによって起こる血便です。こちらも「カビが生える」わけですから、カビ毒ではないのでカビ毒吸着剤はあまり効果はありません。

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