2024年1月18日 下痢をしてぐったりしている子牛を治療したときのできごとです。激しい下痢をしていて座ったままで元気はないし、脱水もしていました。すぐさまお湯で温めた点滴を流しはじめました。心臓や肺に負担がかからないように流速はゆっくりです。心拍数や呼吸を聴診でときどき聞いて、負荷がかかっていないかを確認しながら流していきます。幸いなことに点滴後は自力で立ち上がり、水を飲もうとウォーターカップに向かって歩き始めてくれました。 ところが、ウォーターカップに水は入っているのですが、鼻先をつけるだけであまり飲もうとはしません。「汚れているからか?」と思い、たまった水を一度捨てて新たに水をためました。しかし、それでも飲みません。 最初こそ鼻先でつんつんと水面をつついただけでしたが、すぐさま勢いよく飲み始めてくれました。あっという間にバケツ内の水は底をつきました。おかわりをもっていきましたが、満足したのかこの後はまったく飲みませんでした。喉がかわいていても冷たい水は飲めないんだな・・・と思うと同時に、温水さえあればここまで脱水はしなかったのかも!とも思いました。温水装置をつけることはコスト的にも難しいですが、冬季は温かいお湯を給与するひと手間で「子牛の幸福度が上がり、下痢の発生率が下がる。ちなみに下痢が起こらなければ増体率も自然と上がるよ」なんていういいサイクルが生まれるかもしれませんね。 |