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加地永理奈のコラム
マイコプラズマ感染牛の見た目

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2024年1月17日

気温が低く、呼吸器病に気を付けなくてはいけない時期です。
今回はマイコプラズマに感染して、特徴的な症状が出ている子牛の写真をご紹介します。

① 片耳下がり
マイコプラズマが耳に入ると、中耳炎を発症し、痛みで耳が下がります。片耳だけ下がることが特徴的で、その耳の中を触るとグチュグチュと湿っています。

② 視点が合っていない、瞼が重たい
中耳炎が進行すると、耳に膿がたまり、中耳の周りの神経を圧迫します。
眼球を動かす神経が麻痺すると、視点が合っていないような目つきになり、顔の筋肉を動かす神経が麻痺すると、重たい瞼になり、口からエサをこぼすようにもなります。

③ お腹が下に膨れている
迷走神経という消化器の運動を支配する神経も中耳の近くを通るため、その神経が麻痺すると消化不良を起こします。反芻の回数も減り、消化しきれない草の重さでお腹が下がり、慢性的なガス張りまで起こすこともあります。

この写真の子はマイコプラズマ感染により様々な症状が出てしまいましたが、抗生剤による治療や中耳洗浄により回復し、その後の市場で雌のトップの成績をおさめてくれました!

もしこの写真に似た様子の牛を群の中に見つけたら、隔離して獣医師にお知らせください。
 
 
 
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