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蓮沼浩のコラム
第761話:和牛の新しいコンセプト その1

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2024年1月9日

農家さんが先日「蓮沼先生、A5に15万円/頭の補助がでるみたいだよ。A4には9万円/頭だって」といって、紙を見せてくれました。

そこには以下のようにかいてあります。

■ 和牛肉の需要開拓のための計画に基づく販売に奨励金を交付します。
A5 15万円/頭 A4 9万円/頭

最初なんのことかさっぱりわかりませんでした。しかし、よく調べてみると先月決まった「和牛肉需要拡大緊急対策事業」の事であることがわかりました。補正予算額は50億円です。

1. 和牛肉の新規需要開拓に対する支援
2. 和牛肉関連イベント等の機会を活用した消費拡大・理解醸成に対する支援
3. 和牛肉の輸出拡大にもつながるインバウンド消費の喚起に対する支援

この中の1には以下のようにかいてあります。

「物価高騰により販売が伸び悩む和牛・高価格部位の需要開拓のための計画に基づく販売に奨励金を交付。」

この奨励金がA5 15万円/頭 A4 9万円/頭のことになります。そして、この奨励金は全国団体や食肉事業者に支払われます。

なかなか内需は厳しい戦いが強いられています。

今回の補正予算には「畜産物輸出コンソーシアム推進対策事業」というものもあります。畜産農家さん、食育処理施設、輸出事業者が連携して輸出促進を図る体制の構築を加速化することに対してついている補正予算になります。

これに加えて、昨年の9月22日に(一社)日本畜産物輸出促進協会が設立されました。カッコいい和牛統一マークもあります。ここはオールジャパン戦略で海外輸出を進めています。

何とか内需を支えながら海外への輸出を加速して頑張っていく。

今回の補正予算から小生はこんな感想を持ちました。海外へ販路を拡大していこうとする明確な意思を感じます。ちなみに政府の農林水産物・食品の輸出額の政策目標は2025年までに2兆円、2030年までに5兆円になります。
和牛は現在40カ国ほどに輸出可能です。これらの国々に多くのファンができてくれるといいですね。

ただ・・・・ここで小生はふと思いました。

世界へ輸出する和牛のコンセプトは果たして今のままでよいのだろうか?
コタツで寝っ転がりながら、田舎鼻糞獣医師は超どうでも良いことを考えました。
次回から小生が思った、そのよく訳の分からん内容を紹介いたしますね。

 
 
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