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藤﨑ひな子のコラム
HACCP

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2024年1月5日

 新年明けましておめでとうございます。2024年がはじまって間もないですが、日本各地で混乱がおこりました。被害にあわれた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 2024年初コラムでは、「HACCP(ハサップ)」についてお話ししたいと思います。
 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品等事業者が危害要因を把握した上で、材料の入荷~製品の出荷においてそれらの危害要因を除去または低減させるために重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。つまり、安全な食品を作るための細かい衛生管理方法のことで、「7原則12手順」からなります。
7原則12手順を以下のとおりです。
手順1:HACCPチームの編成
手順2:製品説明書の作成
手順3:意図する用途及び対象となる商社の確認
手順4:製造工程一覧図の作成
手順5:製造工程一覧図の現場確認
手順6【原則1】:危害要因の分析
手順7【原則2】:重点管理点(CCP)の決定
手順8【原則3】:管理基準の設定
手順9【原則4】:モニタリング方法の設定
手順10【原則5】:改善措置の設定
手順11【原則6】:検証方法の設定
手順12【原則7】:記録と保存方法の設定

 HACCPは、製品を加工していく過程での管理方法についてですが、内容を見てみると「生産」における過程でも重要なポイントだと思いませんか?
 例えば、手順4と5を見てみましょう。これは、製造工程を考えて作成しそれが現場で実行可能かを検証する工程です。私も農家さんで飼養管理の改善点をご提案することがありますが、実際にその農家さんで実践可能か、ということを常に農家さんと一緒に考えます。とても大事な点だと考えています。
 また、手順12【原則7】の記録と保存方法の設定については、以前のコラムでもご紹介したように繁殖管理にとっても重要なポイントでした。
 蓮沼獣医師は「PDCAサイクル」を回すことについてコラムで何度かお話しされています。PDCAサイクルは、HACCPにおいても使われている用語で、計画(Plan)、実行(Do)、確認(Check)、処置(Act)の4段階からなるサイクルです。どんなに小さな計画(Plan)でもいいのです。計画して実行すること、そして実行後に確認し計画に沿っていない部分を修正する、このサイクルが回せていると、何かしらの不具合に遭遇した時の対応の速さが全然違います。私もこのPDCAサイクルを意識して、一つずつ一つずつ着実に積み重ねる1年にしたいです。
 
 
 
今週の動画
実測は大切

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