第421話「子牛が乳首を吸ってくれない！③」

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2023年12月28日

元気なのにミルクを飲まない子牛に関する相談を受けていろいろと聞き取りを行った結果、「母牛とまた同居させてください！」というアドバイスをお伝えしました。なんということでしょう。せっかく母子分離させてハッチに移動させたというのに…。
しかし、このままでは管理者が一生懸命ミルクを飲ませようと奮闘しても、それが徒労に終わる可能性も高いです。その間にみるみる子牛は衰弱してしまいますし、ミルクを飲ませるのにかかる時間も非常にもったいないです。「母乳が出てなかったから生後1か月で母子分離したけど1週間がんばってたら飲むようになったよ」というケースも過去にはありましたが、それは珍しい例だと言えます。時間と労力を割く余裕があればよいのですが、そうでない場合は気持ちを切り替えて母牛のもとに戻してあげてください。吸引刺激がなくなれば母牛の乳腺は退縮してしまうので、判断は早いにこしたことはありません。
ちなみに、相談のあった子牛はその後母牛のもとに戻されました。部屋に戻したところすぐさま乳房に向かっていき、勢いよく乳首を吸い始めたそうです。空腹で仕方がなかったのでしょう。分娩室の空きが1つ減ってしまいますし、母牛の種付け時期も遅れてしまう可能性もありますが、今回のことは子牛がすくすく育つために必要な対応です。もちろん、母牛のもとに戻しても全然吸い付かない場合は他に原因があるはずなので、かかりつけの獣医師へ診察を依頼された方がよいです。

さて、早いもので2023年のコラムも本日で最後となります。本年もシェパードのホームページやコラムをご覧いただきありがとうございました。仕事の息抜きのお供としてもご活用いただけるよう、そして何よりコラムをいつもご覧になってくださっている牛飼いさんたちの「困った！」がひとつでも解決できるよう、来年もがんばって書き続けて参ります。2024年もご愛顧いただきますよう、よろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。
　
　
　
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