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松本大策のコラム
冬場の注意 3

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2023年12月23日

 さて、冬場の注意の3回目は、牛舎の保温と寒気についてです。冬場は人間も寒いので、なんとか子牛も寒くないようにしようと考えます。しかし、昼間っから暖房をガンガン炊いて暖かくすればいいかというと、そうでもありません。哺育子牛は保温が大切なのですが、昼間に一生懸命温めても、夜は気温が下がるのでどうしても牛舎内も温度が低下します。そうなると1日の寒暖差が大きくなり、かえって子牛は寒い思いをすることになります。
 子牛は通気よりも保温中心に考えなければなりませんが、同時に日中と八幡の温度差もなくしてあげた方がよいのです。日中は暖房を控えめにして、その代わり夜は全力で温めてあげる、というのが理想です。保温中心とはいえ、日中の暖かい時間帯には換気を行ってきれいな空気を入れてあげた方がよいです。
 よく、子牛舎の窓を少しだけ開けて、少しずつ換気をする方がいらっしゃいますが、僕はあまりお勧めしません。というのも、窓や隙間を少しだけ開けると、そこを通る風の速度が速くなってしまいます。Wind Chill Factor(風の冷却効果)というのですが、風速1mあたり1℃体感温度が低下するのです。

 さて4ヶ月齢を超えて、第一胃が十分に発達すると、完全に通風優先でかまいません。逆にスクリーンなどで囲って保温しようとすると、急に肺炎が増えてきます。
 これは-15℃の寒冷地でもいえることです。もしも通風したときに子牛が寒そうにしているようであれば、良質の粗飼料が不足しているはずです。それから体温維持に必要なカロリーが充足しているかもしっかりと観察して下さい。
 子牛が痩せてきたり、毛が荒く立ってきたり、陰毛が白色化を起こすようではカロリ-不足です。
 
 
 今週のビデオもコラムと関係なし!大阪の農場で出会ったヌートリア。帰化しているんですね。

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