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松本大策のコラム
寺内動物病院と共催で講演会を開催しました!

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2023年12月16日

 栃木で仲良くしてもらっている寺内先生から、一緒にOPUを基盤にした経営改善について、講師を招いて勉強会を開催しませんか?というお誘いを受けて、ありがたく乗っからせてもらい講演会を開催しました。
 共済に動薬屋さんの大正堂さん、MPアグロさん、共立製薬さん、森久保薬品さんなどが名を連ねてくださり、結構きちんとした講演会になりました。
 講演会のテーマは、「聞かないと損をする!?  理想牛群への近道」ということで、ゲノム分析とOPUを合わせて実施することで、牛群の改善確率を高めながら、速いスピードで儲かる牛群に改良していく、というものでした。
 栃木という場所の特色(搾乳量本州一)もあり、また乳牛には海外で発達したゲノム分析や改良の指針などもあることから、酪農家さん向けのお話だったのですが、我が国でも和牛のゲノム分析が進めば、十分和牛にも応用していけると感じました。
 「和牛でもゲノム分析やってるじゃん!」という人がいると思いますが、まだまだ脂肪交雑や脂肪質メインでの分析で、僕が考える大切な遺伝子は把握されていません。僕の考える遺伝子分析とは、まず抗病性については子牛の時に下痢や肺炎を起こしにくい遺伝子、また抗病性と産肉性にも関わることとして、ルーメンのVFA吸収能の強さ(この能力が高いとルーメンアシドーシスを起こしにくく、肝臓廃棄や筋肉水腫、脂肪壊死症などを防ぎやすいのです)、ルーメンでの脂肪への水素イオン添加能(これが強いと脂肪の融点が高く硬くて口溶けの悪い脂肪になります)などです。
 こういったゲノム分析が進めば、農家さんの損害を減らしながら、産肉性も向上するという、経営に非常にプラスになる牛群を作ることができると思うのです。
 講演会の内容に関しては、いずれ加地先生が報告すると思うのと(振っちゃった(^▽^)、僕は肉用牛の専門家なので酪農経営については詳しくないのでここでは書きません。でも、現状でもOPUを用いることで、せめて人気のある牛をたくさん増やす事はできますので、繁殖農家の方でOPUに興味のある方はご連絡ください。
講演会の写真をいくつか挙げておきます。

 今週のビデオは皮下注射の打ち方です。

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