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橋本匠護のコラム
繁殖牛になれるのか?なれないのか?どっちなんだい!?

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2023年12月18日

先日、双子の難産に立ち会いました!
詳しくは12/12の蓮沼先生のコラムを御覧ください~

無事に生まれた子牛達の状態が安定した事を確認し、私はすかさず性別を確認しました。
すると一頭は雄、一頭は雌という組み合わせでした。


↑雄子牛


↑雌子牛

そう、雌雄双子と言えばフリーマーチン(freemartin)ですよね・・・・。
胎子が雄と雌の双子の場合、雌胎子の92~93%は生殖器異常による不妊症となります。
これがフリーマーチンです。ここで注目していただきたいのは、100%フリーマーチンとなるわけではないということです!では、子牛の時点でどのように判断したらよいのでしょうか・・・?

確実な方法として、血液を用いた検査があります。雌子牛から採血を行い、PCR法により雄遺伝子(Y染色体特異的DNA配列)が検出された場合フリーマーチンと診断されます。私も大学時代にPCRよりも簡易な検査を行っていましたが、あれは緊張しました笑

もう少しお手軽な方法として、膣長の計測が有効です。フリーマーチンの場合、腟前庭以外は形成不全となるため正常牛と比較して膣長が短いとされています。繁殖牛に腟鏡を入れようと思ったら全然入らない!といった経験をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか??
教科書的には、以下のように記されています。(獣医繁殖学第4版 文英堂出版)
■ フリーマーチン子牛 → 膣長8~10cm(以下)
■ 正常子牛 → 膣長12~18cm
一方で、一部のフリーマーチンは12cm以上の膣長をもつと報告されていますので、その点はご注意ください!
 
 
 
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バナナフット

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