(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第419話「子牛が乳首を吸ってくれない!①」

コラム一覧に戻る

2023年12月14日

繁殖農家の皆さんが哺乳期子牛を管理する方法は母子同居タイプかハッチ管理タイプになります(哺乳ロボットを利用されている農場では哺乳期から群管理になる農場もあります)。ハッチで子牛を管理する場合は母牛から離すタイミングが難しいですよね。牛伝染性リンパ腫の感染予防のために出生後すぐに母子分離する農場や、初乳を飲んだのを確認したら離す農場など、分離のタイミングはさまざまです。出生後3~7日程度で母子分離を行う農場が多い気がします。母乳の栄養価が高い場合、できるだけ子牛には母乳を飲んでほしいものです。「これまでは3日齢でハッチに連れて行っていたけど、親に10日間つけてみたら子牛が今までより大きい気がする」とおっしゃっている農家さんもいらっしゃいました。ただ、親に長くつけすぎると人工哺育が非常に難しくなります。母牛の乳首に一度慣れてしまうと、人工哺乳用の乳首を吸ってくれなくなることがあるのです。個体差もありますが、生後2週間を過ぎると、哺乳ボトルの乳首を吸ってくれないという事態が発生しやすいように思います。

このことを知っていると、下記のような質問が寄せられたときにどうすればよいかもおのずと見えてきます。
「ハッチが空いてなくてしばらく母牛につけていました。生後1か月齢でやっとハッチに移動できたのですが、ミルクを全然飲んでくれません。熱もないし、下痢もしていないのに。どうしたらいいでしょうか?」
さて、皆さんなら、この事例の原因をどう考え、どのようにアドバイスされますか?

つづく
 
 
 
今週の動画
バナナフット

|