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戸田克樹のコラム
第418話「久しぶりのアレルギー反応」

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2023年12月7日

「顔が腫れてる!!!!!!!!!!!!!!!」
と大慌ての農家さんから電話が入り牧場へ向かうと…

瞼は腫れて、外陰部も腫れて、下痢もしていました。牛は逃げ回る元気もあり、平熱です。噛まれた痕跡はなくペニシリンの投与歴もなかったので、エサによるアレルギー(飼料疹)と診断しました。ヘビに噛まれたり、ペニシリンを投与した後も同じようなアレルギー反応で腫れてしまうことがあります。

この場合、治療法はデキサメサゾンの投与がメインです。ペニシリンでも同じようなアレルギー反応を起こすことがあるので、併用する抗生剤はペニシリン系ではないものにします。また、今回は下痢もしていたのでサルファ剤も追加。アレルギー反応は腸粘膜の浮腫も起こすので下痢も起こりやすいです。そこから二次感染的にコクシジウム感染を起こしてしまう可能性もあります。

見た目は強烈ですが、処置によって翌日にはすっきりと何事もなかったようになるケースが多いので、その回復の速さにも驚かされます。今回も翌日にはすっきりしたイケメン顔に戻っていました。

 
 
 
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種牛の鼻環

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