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第36回とちぎの和牛を考える会② |
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2023年12月6日
今、鹿児島シェパードから藤崎獣医師が、遠路はるばる栃木まで来てくれています。鹿児島シェパードの獣医師と電話で話すことは多くても、実際に対面でお話しする機会がなかなか無かったため、少ない時間ですがたくさん話して情報交換したいと思います。
前回のコラムの続きです。
②ワクチンのトレンドついて
教科書的に習う内容として、ワクチンの接種時期が初乳による移行抗体が残っている時期に被ると、せっかくワクチンで作ろうとした抗体が作られず効果が出ない、という話があります。
移行抗体が下がり始め、子牛自身が抗体産生する能力を持つようになるのは1か月齢程であるため、それ以降に接種し始めるのが一般的な考え方です。
しかし実際は、たくさんの病原体に対してたくさんの移行抗体があり、それが低下し始める時期は様々です。
細菌に対する抗体について、20-30日齢で必要量以下になっていることが確認された例もあります。その状態では細菌感染がおこりやすく、抗生物質による治療が必要になります。
治療牛を減らすためには1か月より前にワクチン接種が必要となる場合がある。つまり、「移行抗体が高いうちにワクチンを打たない」というのは臨床的には適さない、というのがワクチンのトレンドというお話でした。
今週の動画
診断や原因の追究は大切
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