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橋本匠護のコラム
体外受精での生産効率

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2023年11月6日

日本産婦人科学会の報告によると、11.6人に1人の赤ちゃん(ヒト)が体外受精で生まれているそうですね。(2021年)

牛の分野でも、世界的に体外受精により生産される受精卵は増加傾向にあります。


(引用元:2021 Statistics of embryo production and transfer
in domestic farm animals, International Embryo Technology Society)

2021年のIETSの報告では、体外受精により少なくとも「1,582,368個」の牛の受精卵が、世界で生産されているそうです。(実際はもっと多いです!)

では、体外受精による牛受精卵の生産効率は、如何ほどなのでしょうか??

私の感覚では、と畜場の卵巣を用いる体外受精の場合ですと、100個の卵子から移植可能な受精卵を20~40個作ることが出来ます。発生率でいうと、2~4割くらいです。

体外受精での発生率は、様々な要因により左右されます。
大きく分けると、以下のとおりです。

■ 雌牛(卵子)側の要因
■ 種牛(精子)側の要因
■ 培養条件や手技的な要因
 など

これらの要因に着目して、体外受精による生産効率、そして後の受精卵移植時の受胎率を少しでも上げるために様々な研究がなされています。

特に培養液や培養条件に関しては、時代に伴いかなり変化しているのではないでしょうか。
この1-2年でも、私が常識だと思っていたことが、変わっていたりします。

研究の進歩は凄まじいですね、、、!

 
 
 
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