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松本大策のコラム
逆関節のテープ固定

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2023年11月4日

 みなさんは逆関節の子牛をご覧になったことがありますか?僕はコンサル先の農場で、後肢の飛節が逆関節になっている後肢に遭遇しました。
 飛節は人間でいうとカカトに当たる部分で、通常は図のようにしか曲がりません。しかしその子牛は飛節がまるで膝のように前に曲がってしまい歩くことができませんでした。

https://youtube.com/shorts/YAUMNwLlhLo?si=rydb_BF68lav8xXV

 現場なのですぐにレントゲンを撮ることもできず、しかし放置すると飛節が逆方向へ曲がって折れてしまう恐れがありました。そこで図の赤い部分に粘着包帯を巻いて、次に青い両矢印の方向を縮めるように包帯でテンションをかけて巻いていきました。飛節が逆方向へ曲がらないように固定したわけです。もちろん正常方向への屈曲は妨げません。

 これだけでは両後球節のナックリングが矯正できていなかったので、そちらの矯正も行いました。

 その上で、筋肉や靱帯を丈夫にして固定を外しても逆方向へ曲がらないように、自分の靱帯と筋力で支えられるように(というか、この時点では支えられたらいいなぁ、位の気持ちでしたが…)、内科的治療としてV4処置とタンパク同化ホルモンを2回投与しました。
 結果からいうと固定後すぐに子牛は立てるようになり、1週間程度で固定を外しても逆関節にならないように改善してくれました。

 いつもながら牛さんの治癒力に助けられています。僕はあきらめの悪い獣医師ですが、みなさんも牛さんの自然治癒力を信じて精一杯支えてあげましょう。
 YouTubeにも逆関節からの回復過程の動画をあげてありますから、参考までにご覧下さい。

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