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NO.183: 膀胱炎??2 |
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2012年5月9日
コラム第171話「膀胱炎??」で、「似たような症状の牛が別の農場にもう一頭・・・おんなじかな~」という文章にて締めくくらせていただきましたが・・・
先日、その牛さんが無事に出荷となりました。
なんとしても後学のために膀胱周囲を見ておきたい!!・・・と思っていたのですが、私の知らないうちに出荷されていました(;´Д`A!!
なんてこったいガッデーム!!
がしかし、そこはデキル後輩池田哲平がキラーパスをくれました!!
出荷先の検査所の先生にお願いして、膀胱の様子を写真に撮って頂けるようお願いしてくれていました!
さて、そしてこれがその牛の膀胱の様子です。

おおう!?
一緒だ!一緒じゃないですか!!
先生のコメントも入っており、やはり、膀胱頭部側の「肉の花」の先にはどっぷりと膿を溜め込んだ膀胱憩室がありました。
・・・なるほど、しつこい膀胱炎症状で持続的な挙尾や発熱を示す牛には、強烈な化膿病巣があって常に膀胱へ排菌・排膿され続けていることもあるわけですね・・・それは治るわけないですし、シッポ挙げちゃいますよね。
さて、この牛達から学ばせてもらった教訓は・・・膀胱炎と思われる症状を示す患畜の中には、尿膜管遺残から膀胱憩室を生じ、そこが膿瘍化し粘膜面の乳頭状増生を起こしているケースもかなりあるということ
ここまでの変化があれば、生前にエコーで捉えることは不可能ではないはず。今後、膀胱の触診で異常を感じたら必ずエコーを入れて、粘膜面の乳頭状増生と膀胱憩室の膿を描出してみようと思います。
たくさんの情報をくれた牛さん、先生方、ありがとうございました。もっともっと適切な予後判断と治療のために必ず役立たせます!
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