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5,「清浄化一直線」では、どれくらいの増益が期待できますか? |
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2023年10月16日
高収益を得られる理由は、通常精液を使う場合より、性判別精液を使えば多数の肉用♂子牛を生産できるからです。雄の肉用素牛は♀の肉用素牛より、市場で高く販売されますが、その価格差は黒毛和牛で10万円、交雑種で7万円でした(農畜産業振興機構 R3年の全国平均)。
図5には、年間約12~35頭の清浄後継子牛を生産する場合に、性判別精液を使う場合に肉用素牛の販売で得られる収益から、通常精液を使う場合のそれを引いた額を求め、そこから経費を差引きます。経費としては、性判別精液の価格差(通常精液より1本約4000円高価 x 1妊娠当たり2本を行う)、検査料(PCR5000円、ELISA3000円)、コンサル量(母牛1頭年間5000円、キントーン使用料1名分を含む)を引いていますが、採血費用は図5から更に差引く必要があります。
推奨プランを見て下さい。高収益が得られるのは、酪農場では年間15頭~35頭の清浄後継子牛を生産する場合で、黒毛和牛の繁殖農場では年間12頭~20頭の清浄後継子牛を生産する場合でした(図5)。1年目の収益が2年目以降に比べて低いのは、1年目に全ての母牛のPCR検査を行うからです。
推奨プランでは、必要数の清浄後継子牛を生産する年数を酪農場では3~4年で、和牛繫殖農場でも5~8年としていますが、その範囲であれば、経費を差し引いてもプラス収益を清浄化に取組めると試算されます。これはあくまで試算であって、実際の収益額は、清浄牛の感染防止対策の有効性、検査単価、子牛の市場価格によって変動することをご承知おき下さい。

図5 母牛100頭のモデル農場における子牛販売益の試算(拡大)
牛白血病対策研究所
塚本健司
今週の動画
かゆみの原因ウシハジラミを顕微鏡で観察
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