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ゲストのコラム
4,情報を記録・更新することが検証と改善を可能にし、清浄化を達成します。

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2023年10月14日

 全ての産業分野において、記録を元に検証、改善ができない企業が優良企業となることは無いように、清浄化でも情報の記録・更新は重要で、記録を元に検証、改善することが、清浄化の達成と経営の改善、ひいては優良農場への転換を可能にします。
 種付計画の補正: 最初に設計された種付計画が素晴らしくても、清浄化の進展に伴って、清浄子牛の生産実績が当初計画から次第に乖離するものです。清浄子牛を計画どおりに生産できなかったり、生産できても、感染例が増加すれば、清浄化を達成できません。逆に、清浄子牛を過剰に生産すれば収益低下を招きます。同様に、清浄母牛の生産実績を把握せずに、清浄子牛の生産を続けても、チグハグになります。清浄化の達成には、清浄子牛と清浄母牛の生産実績を定期的に把握し、生産実績と当初計画の間に過不足があれば、種付計画を補正する必要があります。生産実績の把握は、清浄♀子牛の誕生日と出荷日、母牛の導入日と廃用日等をシステムへ登録することから始まります。
 検査結果の登録: 農場担当者が検査日の予約、サンプル情報の登録、検査結果の登録してもらえば、弊社がそれを元に清浄化計画書や事業報告書を農場担当者へ提示できるようになります。
 種付と分娩の記録: 種付の成否や分娩のトラブルは、それぞれに特定の要因が関係しますし、母牛毎にトラブルに一定の傾向が見られます。そこで、母牛毎に種付けや分娩の状況をシステム上へ記録、更新すれば、次の種付や分娩の際に記録を見てトラブルを回避できます。
 衛生管理の改善: 衛生管理に検証改善するサイクルを組込んでいますので、衛生管理の弱点を効果的に改善することができます。最初に具体的な衛生対策を定めて、それを実行することをルール化した上で、陽転牛が発見される度に、発生要因の推定、衛生対策の弱点の改善策を決め、実行します。この一連の流れをシステム上へ記録し、陽転牛の発見の度に対策の効果を検証し、改善することを繰り返えせば、有効な感染対策を確立できます。

図4 情報の登録と更新による、目標の達成と技術の改善(拡大
 
 
牛白血病対策研究所
塚本健司
 
 
 
今週の動画
かゆみの原因ウシハジラミを顕微鏡で観察

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