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3,全ての母牛を使った清浄化プログラムにより、目標の達成に取組みます。

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2023年10月13日

 「清浄化一直線」では、感染母牛の淘汰で清浄化を達成するのではなく、全ての母牛を用いて農場の清浄化に取組みます。この清浄化プログラムの設計方法について、最初に解説します。
 1)全頭の母牛について、感染状態を調べ、ウイルス遺伝子の保有量に基いて4群に分類
 2)清浄化に必要な清浄♀子牛の年間生産数を決め、それを確保するための後継子牛用母牛と、それ以外は肉用子牛用母牛の2群に母牛を分ける。
 3)前者を♀用精液で種付けて、清浄な♀子牛を生産に充てる(清浄化の達成育種改良の加速)と共に、後者を♂用精液で種付けて、高価な♂子牛を多数、生産する(収益アップ)。

 それらの目標を達成できる根拠は、以下のとおりです。
 清浄化の達成: 低リスク母牛(清浄母牛と低ウイルス母牛)を♀用精液で種付けて、必要数の清な♀子牛を生産します。これに加えて、農場が後継子牛用に活用したい高能力母牛がいれば、感染状態に拘わらず、追加分の後継子牛用母牛に活用します。後継子牛用母牛が感染母牛であれば、初乳対策は必須です。生まれた♀子牛は検査で清浄を確認します。♀用精液を低リスク母牛に使うことで、多数の清浄♀子牛を生産できるため、強制廃用をしなくても、農場を清浄化できるのです。
 育種改良の加速: 低リスク母牛(清浄母牛、低ウイルス母牛)と上記の高能力母牛を♀用精液で種付けることで、通常精液を使う場合の2倍の速度で後継♀子牛を生産でき、その中から真に後継子牛を選抜することで、育種改良を加速できます。
 子牛販売の増益: 肉用子牛用母牛を♂用精液で種付けることで、通常精液を使う場合の約2倍数の♂肉用子牛(高価な子牛)を生産できるので、高収益が得られます。

図3 「清浄化一直線」の清浄化計画の仕組みと目標を達成できる根拠(拡大
 
 
牛白血病対策研究所
塚本健司
 
 
 
今週の動画
かゆみの原因ウシハジラミを顕微鏡で観察

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