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藤﨑ひな子のコラム
繁殖データ⑧~発情発見率向上①~

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2023年10月6日

 来週からは日中の気温も下がり、秋らしくなってきているようです。出水市の上場高原のコスモスも見ごろを迎える時期ではないでしょうか。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 前回までのコラムでは受胎率向上のための方法をいくつか紹介してきました。今回からは発情発見率向上の方法をいくつか紹介したいと思います。

 発情発見率とは初回授精から最終授精の間に、起こっていたであろう発情を何回発見することができたかという指標です。なので、発情をいかに発見できるかが発情発見率向上のポイントとなってきます。

 1つ目は牛を観察する時間を毎日2回設けることです。どの時間帯にどのくらいの時間観察すると良いのでしょうか。
 繁殖ガイドラインDairy Japan臨時増刊号によりますと、発情を示す割合は時間別に、6:00~12:00は22%、12:00~18:00は10%、18:00~24:00は25%、24:00~6:00は43%だそうです。こうしてみてみますと、早朝や夜間の発情出現率が高いことがわかります。
 発情観察の時間ですが、長ければ長いほど発情を発見することができます。しかし、牛舎の掃除、餌やり、子牛の世話など様々な業務がある中で長時間を発情発見に時間を割くことは大変だと思います。ですので、目安としては1回に15~30分確保できたらと思います。
 例にあげますと、朝の餌掃きの前後で15~30分、夕方や夜の見回り時に15~30分を発情観察の時間に充てることができたらと思います。発情発見後は前回お話ししたAM―PM法に則って、授精師さんに連絡をします。この発情観察、授精師さんへ連絡、授精の流れをルーティン化することによって発情発見率が向上します。

 次回も発情発見率向上の方法についてお話ししたいと思います。

 
 
 
 
今週の動画
こんにちわ~ 臍動脈(臍動脈遺残)

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