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蓮沼浩のコラム
第745話:子取り用めす牛(繁殖牛)の飼養戸数

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2023年9月5日

今、日本にはどのくらいの肉用牛の飼養戸数があるのだろうか?
今後の日本の肉用牛業界を予測するためにも、大まかな数字は把握しておく必要があると思い、小生データをまとめてみました。データは平成31年から令和4年までのデータを使用しています。

まず今回は飼養戸数に関してみてみますと、令和4年の肉用牛の飼養戸数は全部で40,400戸なり。この中で、いわゆる子取り用めす牛(繁殖牛)の飼養戸数をみてみると、35,500戸となります。

ここで小生は規模別に分類してみました。9頭以下を小規模、10頭~49頭を普通、50頭~99頭を中規模、100頭以上を大規模としています。これは小生が勝手に分類しました。大まかに傾向をつかむために円グラフを作ってみると、以下のようになります。

子取り用めす牛(繁殖牛)の飼養戸数の60%が9頭以下の飼養頭数になります。普通と小規模を合わせた個数で94%となります。従業員さんを雇わない、家族経営の農家さんがかなりの割合を占めているように思います。

ではこれらの戸数は最近どのように変化しているのか?
平成31年からのデータをグラフにすると以下のようになります。

まず合計の戸数は毎年減っています。平成31年は子取り用めす牛(繁殖牛)の飼養戸数は40200戸だったものが、令和4年には35,500戸です。12%減少しています。特筆すべきは、やはり小規模の減少割合です。ここは25,330戸から21,360戸と3年で3,970戸減っています。16%の減少です。同時期で比べると普通は5%、中規模8%、大規模1%の減少ですので圧倒的に小規模の減少率が高い結果となっています。この様子だと、令和5年には小規模戸数は2万戸を確実に割ると思われます。毎年7%小規模の戸数が減り続けると仮定すると、令和10年には13,820戸になっていました。あくまでも表計算ソフトを使った簡単な計算結果です。おそらく、実際にはこれ以上の戸数の減少が予想されます。

次回は子取り用めす牛(繁殖牛)の頭数の推移をみてみようと思います。
 
 
 
 
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