(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
加地永理奈のコラム
長い受精卵ストローの収納

コラム一覧に戻る

2023年8月30日

今年の夏は記録的な暑さで、全国の平均気温や猛暑日の日数が過去最高を記録しているとのことです。気象庁も異常気象だといえると発表していました。
8月に入ってからのコラムもずっと暑さの話をしていました。今回は少し涼しく?液体窒素の中のお話です。
OPUで作成した受精卵は、凍結ストローで農家さんへお渡ししています。
ただ私がお渡ししている受精卵ストローは、一般的な凍結精液ストローと異なり、受精卵の情報が記されたキャップが付いています。そのため、一般的なキャニスターに入れるとキャップ分飛び出してしまうのです。

この状態のままキャニスターを出し入れし、キャップが引っかかって万が一折れてしまった場合、何の受精卵かわからなくなってしまいます。
そればかりか、キャップが取れてしまっていると温湯で受精卵を溶かす際にストローから受精卵が流れ出てしまいます。
「キャップが折れないように丁寧に出し入れしてください」とお願いしてお渡ししていますが、やはり予防策をよく聞かれます。
一番良いのは、ロングキャニスターの入るボンベでアルミケーンを使用して保管する方法です。これはボンベを運ぶ際にも安心です。

ただボンベも新しく買うとなると高価ですので、今あるボンベに工夫する場合をいつもご紹介しています。

いらないクリアファイルや厚紙、カレンダーの切れ端などを丸めてキャニスターの中に入れるだけ!
受精卵ストローより高くなるように筒状にして入れてください。これにより、受精卵ストローより先に筒が当たってくれるため、ストローキャップが引っかかって折れる心配を回避できます。
受精卵を保管するキャニスターではぜひこのようなアレンジをお願いいたします。こまめな液体窒素の補充も忘れずにお願いいたします。

 
 
 
 
今週の動画
胎膜水腫?羊膜水腫?尿膜水腫?

|