2023年8月25日 台風が過ぎ去ってから、ほんの少しだけ気温が下がったように感じます、しかし、まだまだ油断大敵なので、水分補給はこまめに行いましょう。 今回のコラムでは、具体的な繁殖データについてお話ししようと思います。繁殖データは、農場の繁殖の成績を知るための重要な情報です。農家さんが感じている疑問や不安を、具体的な数字に変換することで、農家さんはもちろん、農家さん以外の人々(授精師や獣医師など)もその農場の繁殖を理解することができるようになるのです。 今回は受胎率についてお話しします。受胎率とは、授精(移植)したウシのうち何頭が妊娠したか?もしくは、何回の授精で受胎したかを表す指標です。受胎率の算出方法は資料によって違うのですが、妊娠した頭数を授精した頭数で割る場合と、妊娠した頭数を授精した回数で割る場合があります。後者を例として、具体的な計算方法をみてみましょう。 この受胎率ですが、牛1頭にだけそれぞれ当てはめた場合、Aは50%、Bは100%、Cは0%となります。このようにしてみるとBが非常に繁殖成績の優秀な牛に見えます。しかし、この受胎率には授精までの日数の意味合いが含まれていません。どういうことかと言いますと、例えば、Aは分娩後40日に1回目の授精をし、受胎せず、分娩後61日の授精で受胎したとします。この場合、受胎率は50%となりますよね。Bは分娩後150日の初回授精で受胎したとします。この場合、受胎率100%となります。受胎率の数値だけを比較するとBの方がよく見えます。しかし、Aは一年一産(61日+285日=346日)を達成できていますが、Bは達成できていません。受胎率だけでの比較では繁殖成績を表すのは困難なのです。 次回のコラムではこの時間の要素を含んだ発情発見率についてお話しします。 |