2023年8月22日 小生が今一番注意している疾病は何かといいますと・・・ 牛のサルモネラ症になります。 サルモネラ・ダブリンとサルモネラ・ティフィムリウムが重要です。特にサルモネラ・ダブリンは病原性が強く牧場に入ると非常に厄介です。 令和3年は全国で67戸の発生戸数だったのですが、令和4年には192戸と約3倍近くに増えています。令和5年はさらに発生ペースが上がっています。要注意です。 小生が一番問題だと考えているのは、サルモネラ症の牛さんの診断が経験のない獣医師では遅れてしまいやすいということです。 小生は肉用牛の獣医師なので乳牛ではなく肉用牛での特徴を箇条書きにしてみますね。 ・ 哺乳期の子牛に主に発生する 非常にざっくりとした特徴ですが、牛RSウイルスなどが広がった場合とは違い、とにかく治療の反応が非常に悪いです。 しつこいですが、特徴をまとめると・・・ 哺乳子牛で、治療しても治りが悪く、群全体に広がり、なおかつ死亡例が複数頭出る。 牧場で治療をしている時にもしもこのような特徴がみられた場合は、サルモネラ症を思い出して検査することが重要です。そして、速やかに対策をとることが重要になります。 本州や九州などでは発生報告は少ないですが、今後知らない間に感染が広がる可能性があります。外部からスモール子牛を導入したり、人工哺育をしたりしている牧場は特に注意が必要なので、頭の片隅に入れておいてくださいね! |