(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
笹崎直哉のコラム
佐々畜産で研修して その5

コラム一覧に戻る

2023年8月21日

今回から繁殖検診について紹介していこうと思います。どちらも車で15〜20分程度の農家さんがほとんどで、乳牛(ホルスタイン)の繁殖検診にも随行しました。乳牛の直腸検査はあまり経験がなく、とても貴重な経験をさせていただきました。
繁殖検診の前に佐々先生からも深水先生からも大前提として「真の発情」と「発情兆候」の違いをしっかり理解するようご教示いただきました。
具体的な内容としては
「真の発情はスタンディング発情(他牛に乗賀されても逃げずにジッとしている)が確認された場合を差し、それ以外のマウンティングや頸管粘液、陰部の腫脹(緩み)や充血、大声で鳴くなどの行動は発情兆候に該当する」ということです。

(スタンディング発情の動画は佐々先生のYouTube:https://youtu.be/Bd4aVLgU_m4にも掲載されていますので、気になる方はご覧ください。)

さらに「真の発情」は①20日(乳牛は 21日)間隔、いわゆる発情周期通りにきていること②発情後出血がみられることがほとんどだということも教わりました。確かに発情後出血は排卵出血とも呼ばれ、出血が確認された2〜3日前に良い(強い)発情行動があった証です。また出血があった個体は無かった個体より受胎率が良い傾向であることも報告されています。

これを踏まえると農家さんから授精や受精卵移植の依頼をもらった時は、膣鏡検査(直腸検査)を実施する前に問診を行い「真の発情」なのかどうかを見極めるための情報収集をすることが重要だということが分かります。

つづく
 
 
 
 
今週の動画
子牛の誤嚥と哺乳乳首チェック

|