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松本大策のコラム
「肥育牛でもカルシウム欠乏症その1」

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2008年1月7日


 カルシウム欠乏症というと、乳牛で分娩前後に発生する「乳熱」や産前産後起立不能が有名(最近では繁殖母牛でも見られます)ですが、肥育牛でもカルシウム欠乏症は起こります。
 肥育牛のカルシウム欠乏は、飼料中のカルシウムとリンのアンバランスやカルシウム不足で起こると考えられていますが、じつはビタミンAの欠乏症に伴って、骨から血液中にカルシウムを溶かし出す脱灰という働きがうまくいかなくなって、急速に血液中のカルシウムが低下する場合があるのです。
 ですから肥育牛でのカルシウム欠乏は、血液中のビタミンAが不足しやすい中期から後期に現れる事が多いのです。症状としてはイライラして食欲が低下したり、お腹が小さくなってきたり、ひどくなると共著区政の痙攣で倒れるものもいます。
 マスの中で、1頭だけみんなからいじめられて角傷だらけの牛さんがいる場合も、その牛がカルシウム欠乏の場合が多いので注意が必要です。しかし、まれに他の牛がカルシウム欠乏になっている場合、最も弱い牛がみんなからいじめられる場合もあります。
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