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加地永理奈のコラム
授精時や採卵前は暑さチェック

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2023年8月2日

お天気が不安定で、目の前で雷が落ちるのを見てしまいました。電線から火花と煙があがり、目の前の信号が消えてしまって衝撃でした。
ただ雨が降ったおかげで久々の涼しい朝になり、動いても汗が出ない気温がいかに過ごしやすいかを実感しました。

最近は晴れるとあっという間に気温が上がり、35℃を超えてムシムシとした猛暑日が1週間も続く日々でした。那須が避暑地になっていません。
OPUは牛の体温と近い方が環境的に良いので、冬より夏の方が好環境といえます。
ただOPUで使う機械類は、牛の体温と同じ38℃が保てるようにヒーターの機能がついているのですが、逆にクーラーの機能はありません。そのため夏場のOPUでは室温が35℃を超えないように気を付けます。
去年の夏は室温が35℃を超えるリスクはほとんどなく、夏のOPU対策は特に必要ない状況でした。
しかし今年はOPU中に室温も湿度もあがってきてしまい、少し風を送って換気しないといけない状況です。他にも開始時刻を早めて、気温が高くなりすぎる前に終わらせることも対策としています。
それだけ今年は暑さが厳しいということ、または冬場のOPUでも問題のない採卵環境を整えてくださっていることだと思います。

これから8月、お盆明けまでこの調子で厳しい暑さが続くと思われます。
牛舎に暑熱ストレスの指標となるTHIメーターがあれば、THIが70を超えていないかチェックしてください。
それがない場合でも、母牛の直腸内温度が39℃台にあがってきていないかチェックしてください。
暑熱ストレスが影響を及ぼさないよう、授精時や採卵の1~2週間前などは必ず状態を確認してみましょう。
THIや体温があがってしまっていた場合には、人と同じように首元を冷やしてあげると一番冷却効果が出ます。保冷剤を首に巻いたり、首元に風が当たるようにしたりして、暑さを回避してください。
 
 
 
 
今週の動画
ウシの上の前歯

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