(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
第740話:畜産・酪農の適正な価格形成

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2023年8月1日

令和5年6月に農林水産省から「畜産・酪農の適正な価格形成に向けた環境整備に係る中間とりまとめ」が発表されました。

熟読させていただきました。

フムフム、なるほどなるほど、良いことが書いてありますね。よかった、よかった。これなら安心して農業、そして畜産業を続けられますね!

となればよかったのですが、読後感は「むむむ・・・」という感じでした。
一生懸命に考えて、多くの方の知恵を絞って作られた大変ありがたいものなのですが、読んでいてなんだか切なくなってきてしまいました。

そう、切ない気持ちになってしまいました・・・

色々思うところを書くと問題なので書きません。田舎の何もわかっていない下衆な鼻糞獣医師がわかった風に言うな!!!と怒られそうです。スミマセン。

ならばコラムにするなとおしかりを受けそうなので、一点だけ書きます。

「しかしながら、納税者負担に大きく依存した対応に頼り続けることについては、他産業とのバランスからしても、難しい議論があるのは否めない部分がある」

というところです。

「難しい議論」をしてもいいのではないか????
今こそ「難しい議論」をするべき時ではないのか????
「値上げ」よりも「納税者負担」は軽い可能性があるし、逆に喜んでくれるんじゃないの????

農林水産関係予算は2010年ごろから2.5兆円あたりでほとんど変化がありません。
一般会計予算の大体2%ちょっとで、ず~~~~~と変化がありません。なんでずっと同じような状況なのだろう???日本の食料安全保障を考えるのであれば、もう少し何とかなってもいいのでは?きっと国としては農林水産関係では、補正予算もあるし「十分な予算を確保している」という判断なのでしょう。

ただ、本当に国益にかなっているのかわからんけど、とんでもない額の予算がついたところが結構ありますけど・・・・

畜産業をとりまく状況は

・牛乳製品や食肉などの畜産物は現代の食生活に欠かせない
・畜産物の生産に欠かせない飼料は生産コストの3割から6割を占め、多くを海外に依存している
・気候変動等による不作や世界人口の増大に伴う需要増の影響をうけた国際的な穀物価格の高騰がある
・為替レートの円安基調、ウクライナ情勢などの影響をもろに受けている
・生産段階では国産飼料の生産・利用の拡大や家畜改良、飼養管理の改善による乳量や産肉量の増大などによる生産性向上に取り組んでいる
・国も配合飼料価格安定制度や飼料価格高騰緊急対策を行っている
・生産コストが自助・公助で対応できないスピードとインパクトで上昇してきた

ざっと挙げただけでこれだけの状況なので、食料安全保障の観点からも「難しい議論」をとっくの昔にしててもいいと思うんだけど・・・・

何も現状をわかっていない大馬鹿ヤロ~~の戯言ですので、鼻で笑ってください。
 
 
 
 
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ウシの上の前歯

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