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藤﨑ひな子のコラム
浮腫⑪~リンパ管編~

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2023年7月21日

 東海・近畿・中国地方は梅雨明けが発表されましたね。九州の梅雨明けはいつ頃なのでしょうか?湿度が高い日が続きますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 浮腫シリーズも最後の項目となりました。今まで浮腫になる機序として、細胞の隙間である間質から血管への水の移動の乏しさ、血管から間質への水の移動の増加について、長々と話してきました。今回はその機序の最後の項目として間質からリンパ管への水の移動の乏しさについてお話しします。
 そもそもリンパ管とは全身の組織の間にあり、間質液(間質に存在する水)の一部を常に回収しています。ですので、リンパ管が腫瘍などで閉塞してしまいますと、リンパ管を流れる水の移動が乏しくなり、常に回収していた間質液の移動も乏しくなってしまうわけです。

 よく「むくみ改善」と称し、リンパマッサージが推奨されますよね。あれはリンパ管の中の液体の移動をマッサージによって施すことによって、リンパ管の間質液の回収を促しているのです。間質液の回収が促されれば、間質中の水分が減少し浮腫が改善するということです。
 残念ながら牛でのリンパ管閉塞の疾患について情報を得ることができませんでしたので、もし知っている方がいましたらお知らせくださればと思います(^^;。
 
 次回は浮腫シリーズの総括をしたいと思います。

 
 
 
 
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子牛の熱中症ー症状と対処方法

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