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加地永理奈のコラム
ニュージーランドの酪農

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2023年7月12日

ニュージーランド(NZ)の酪農は、日本からみると特殊だというお話を聞きました。その話になったのも、NZでは1日1回搾乳をしているところがあるとの話題からでした。

NZは酪農大国で、ほとんどを乳製品に加工し輸出しています。
国土の半分は牧草地であるため、牛の飼い方は基本放牧で、牛舎を持ちません。建物は最低限の搾乳施設のみで、毎朝そこに牛を集めるところから搾乳が始まります。
牛舎飼いではないため濃厚飼料をたくさんあげることもなく、放牧草を主体で食べてもらうので飼料コストがかかりません。ただこのような飼い方なので、1頭あたりの泌乳量は少なめです。しかしその分、乳脂肪、乳タンパク質量が高く、乳価もそれを基準に決められるそうです。
そして通年搾乳ではなく、放牧草のピークに合わせて子牛を分娩して育てられるように、季節繁殖で牛乳を生産しています。牛乳が季節性で良いのも、そのほとんどが乳製品に加工されるため、なせる業です。
これだけの情報でも日本の常識からは想像できませんね。さらにはNZの搾乳のお仕事は時給がお高いのだとか。(1か月で120万円と聞きました。ほんとに?)

そして1日1回搾乳という発想です。これについては次回に。

 
 
 
 
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