2023年6月29日 確認しておいてほしいことその8「敷料の状態」 生まれた子牛はできればきれいな敷料の上に下ろしたいところです。敷料の状態が悪いと臍や鼻、口から容易に病原体が感染してしまい、その後の臍帯炎や肺炎、腸炎といった疾患につながる可能性があります。初乳中の移行抗体を十分吸収できるように子牛の腸管にはたくさんの隙間が空いています。初乳よりも先に糞などで汚れた敷料が消化管に入ってしまえば、移行抗体の吸収のために開いていた隙間から雑菌が侵入してしまいます(感染の成立)それだけでなく初乳の吸収率も落ちてしまいます。まったくいいことがありません。飼料袋や台車などにきれいな敷料を入れておいて、いざ牽引するときに改めて敷き、そこに子牛が落ちてくるようにしてあげるとよいですね。
これまで紹介してきた項目をすべてやる必要はありません。ただ、獣医師が来るのをただ待っているだけでは落ち着かないでしょうし、その間に何かできることがあれば気も紛れます、獣医師がより円滑に分娩の介助に移れるのでは、と思いながら今回のシリーズで紹介させていただきました。 前の記事 第396話「獣医師待ちの間にできること⑤」 | 次の記事 第398話「タネつけてたかも!」 |