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加地永理奈のコラム
一番草、青草

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2023年6月14日

最近農家さんとお話しした内容のうち、エサについて少しまとめておこうと思います。
牛さんには良い粗飼料でお腹いっぱいになってもらうことが大切です。
農家さんに最近のエサの話を伺うと、今一番草を与えている時期だということです。1年の最初に収穫する牧草なので一番草。牧草を刈り取り、反転して乾燥させ、集めてロールにし、ラッピングする。5月から今頃まで牧草の刈り取りで一番お忙しい時期だと思います。
一番草は栄養価が高く牛も喜んでよく食べる大切な牧草です。ただ栄養価が高いとは、タンパク質が高いということでもあります。
飼料中のタンパク質(DIP)とデンプン(NFC)のバランスが崩れ、タンパク質が余剰になると、タンパク質から分解されてできたアンモニアが体に蓄積します。繁殖母牛の場合、卵胞の中の卵子にもダメージとなってしまうので、OPUの成績にも影響します。
一番草の給与には相応の濃厚飼料でエネルギー補給が必要なのかもしれません。ただそれによる過肥もこわいところなので、同じ粗飼料でも、一番草だけでなくワラも一緒に与えて嵩増しするのが一般的だと思います。
また、一番草をそのまま青草で与える場合もありました。青草の給与は、水分量が多くお腹がいっぱいになりやすいという特徴があります。そのため、乾草を与える場合よりも乾物摂取量が減って、栄養不足に陥ってしまう可能性があります。青草の場合、一日50-60kgを目安に食べられているか観察が必要です。ヒト1人の体重ですね。
 
 
 
 
今週の動画
BoviLab use 4 (現場でBovilLabを使ってみよう その4)

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