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蓮沼浩のコラム
第732話:口蹄疫

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2023年6月1日

小生は日本の和牛の未来にとって、海外への輸出が最重要ポイントであると確信しております。少しでも多くの国へ輸出することができればといつも思っています。しかし、先日あまり聞きたくない情報が入ってきました。

「 韓国で口蹄疫発生!!!! 」

2023年5月22日時点で、2023年5月10日から5月18日の間で11件の発生報告がでています。結構なペースです。今回はO型とのことですが、かなり強力です。

日本は現在コロナによる入国制限が緩和され、海外から多くの観光客や仕事で人が集まってきています。インバウンド消費が期待できるので日本経済にとっては非常にありがたいことなのですが、家畜防疫の立場からはマイナスなことになります。

過去の日本の発生事例を見てみると、2回とも韓国で発生した後に日本で発生しています。そういうわけで、現在の状況はあまりよくありません。要注意です。国も「侵入するリスクは非常に高い」と判断しています。

平成22年に日本で発生した時を振り返ると4月20日に発生があり、7月27日にすべての移動制限解除がなされています。この間約3カ月なり。そして平成23年2月5日に「ワクチン非接種口蹄疫清浄国」としてステータスが復帰しています。発生から約10カ月なり。

「ワクチン非接種口蹄疫清浄国」にならなければ、多くの国に輸出が出来なくなります。口蹄疫が発生してしまうと、輸出に向けて頑張っている日本にとって大きな痛手となります。

ここでもう一度発生予防の徹底について書いておきますね。

■ 農場の出入り口に看板を設置するなどにより、関係者以外の立ち入りを制限しましょう。
■ 農場の出入り時は専用の靴・衣服を着用し、手指を消毒するとともに、持ち込む物品や出入りする車両の消毒を徹底しましょう。
■ 畜舎の出入り口に専用の靴の着用や踏み込み消毒槽等を設置することにより、出入りする人の靴底の消毒を徹底しましょう。
■ 従業員の方も含め、口蹄疫が発生している国への渡航は可能な限り控えるとともに、これらの国の農場からの郵便物などは衛生管理区域に持ち込まないようにしましょう。
■ 毎日、飼養家畜の健康観察を行い疑わしい症状があればすぐに通報しましょう。

もちろん飼養衛生管理基準を遵守しましょう!

 
 
 
 
今週の動画
肥育牛で「股裂き」がありました

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