2023年5月26日 こちら鹿児島の平均最高気温が25℃を上回っています。もうすぐ梅雨も到来しそうです。皆様、熱中症にはお気を付けください。 前回のコラムでは毛細血管から間質への大量の水の移動が、血液の渋滞(血液の滞留)によって引き起こされていることをお話ししました。今回は血液の滞留が起こる病態について考えていこうと思います。 1つ目は心臓の機能が弱いときです。血液は心臓から排出されて、動脈→毛細血管→静脈そして再び心臓に戻ります。心臓はポンプの役割をするのですが、心機能が低下すると、ポンプ(心臓)を押す力が弱まり血液の流れが滞ってしまいます。また十分にポンプ(心臓)が広がらないと、静脈から来た血液を十分に受け止めきれず、またしても血液が滞ってしまいます。心機能が低下しているときに血液の滞留は起こるのです。この心機能の低下ですが、長くかかっていた肺炎など慢性の肺疾患によっても引き起こされます。 2つ目は腎臓が悪いときです。腎臓は全身をめぐった血液をろ過して、老廃物と水分を尿として排出します。しかし腎臓が悪くなると、じゅうぶんに血液をろ過することができず、血液が滞ってしまいます。すなわち、血液の滞留です。尿石症で尿が十分に排泄されないと腎臓も十分に機能できず、浮腫の症状が現れることがあります。 次回も引き続き血液の滞留を引き起こす病態についてお話しします。 前の記事 浮腫②~血液滞留編①~ | |