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戸田克樹のコラム
第390話「小さいからだにご用心②」

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2023年5月1日

では、具体的にどういう牛が「同居牛と比べて発育が遅い」という状況になるのでしょうか。

同居牛と比べて体型が悪いということは、「ある程度長い期間、他の牛よりも採食量が落ちていた」という結果を表しています。つまり、昨日今日の話ではないということです。その分、疾病をもっている場合は慢性化している可能性もありますね。

採食量の低下や発育不良をもたらす疾病としては肺炎、肝炎、第一胃炎、第四胃炎、ビタミンA欠乏症といったものが挙げられます。肺炎や四胃炎は聴診で発見できることが多いため、気になった場合はかかりつけの獣医師に聴診を依頼してみることをお勧めします。肝炎やビタミンA欠乏症は血液検査で数値を確認することでその有無を発見できます。これ以外にも、関節炎や蹄葉炎などの運動器疾患で採食量が落ちていることもありますので、牛の歩き方や立ち上がり方にも注意が必要です。

同居牛より小さいな…
と思ったら、その牛の様子を十分に観察してみましょう。観察で分からなければ、聴診や血液検査などで、より詳しく原因を探っていきましょう。発育不良牛は早期の摘発と適切な治療や管理で改善するケースは多々あります。逆に、病態がひどく、すぐに出荷などの対応をしないといけない!というケースもあります。とにかく気になったら調べてみるという気持ちが大切です。

 
 
 
 
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