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加地永理奈のコラム
腫瘍?膿瘍?

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2023年4月26日

日本の人の死因第一位は癌ですね。それに対して牛さんでは、癌になる子に出会うことは少ないです。ただし今回、癌なのかな?良性の腫瘍かな?と思う牛に出会いました。
子牛のときに見ていた子なのですが、生まれたときは何も気にならない元気な子牛でした。それが成長につれて、おでこのあたりに小さいたんこぶの様な硬い突起が触れるようになりました。ミルクを飲むときにぶつけたのかな?ユニコーンになるのかな?などと言いながら様子を見ていたら、2か月を過ぎた頃には大きなたんこぶに成長していました。

皮膚表面にできるいぼのようなものだったら小さいうちに取ってしまいたかったのですが、皮膚より内側にできているようで骨と繋がっていると感じられ、きれいに切除するのは難しいと考えました。この時にエコーをあてるなりしてよく観察すれば良かったのですが、元気なら良いという判断もあり、そのまま別の農場へ移動して行きました。
その子は雌牛だったため、その後種付けまでいき、今では妊娠牛になっているそうです!
ただ、たんこぶも大きくなっているようで、写真のような状態になっているということでした。

どんどん大きくなるから腫瘍なのか、他の箇所にも広がっていないか、実は中に膿が溜まっている膿瘍なのか、周囲の神経とか圧迫していないか、その正体と及ぼす影響が心配です。今も元気で過ごしているとのことですが、なにか出来るアプローチがないか検討中です。

 
 
 
 
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