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加地永理奈のコラム
遠隔診療が保険対象に①

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2023年3月22日

先日、NOSAI栃木さんからの説明会にて、来年度から遠隔診療が共済の保険対象となるというお話がありました。獣医師が農場に立ち入ることなくスマホ等を通じて牛の画像を確認して診断をし、「初診」、「再診」、「薬治」の対応をとった場合にも共済が適応になるということです。

私も実際に、農家さんからLINEで送っていただく牛の写真や動画をみて、必要な処置をお伝えすることがあります。また、私一人では判断に困る病気の牛に出会ったときにも、先輩獣医師に相談して指示を仰ぐためにLINEを使うことがあります。遠隔診療はコロナ渦をきっかけに、人のみならず産業動物の分野でも大きく広がったのではないでしょうか。

LINE等のツールで遠隔診療をするメリットは、農場が遠方であるほど発揮されます。
まず一番には、早期治療できることです。たとえば下痢がひどく重度の脱水状態の子牛がいた場合、一刻も早く補液をして脱水を改善したいのですが、現地のスタッフさんにそれがお願いできればより早く良好な回復が見込めます。
農家さんとしても、獣医師を呼ぶよりもLINEの方が気軽に相談しやすいのではないでしょうか。また地元の獣医師が不在の地域でも獣医師の意見を仰ぐことができ、より専門的な獣医師と専門的な知識の共有もできます。
台風のような悪天候時に無理な移動をせずに済みますし、時間や移動コストの削減もできます。

獣医師が農場を行き来する頻度が減る分、病気蔓延の予防にもなればいいと思います。そもそも獣医師が病原体を媒介しちゃいけませんが!

つづく

 
 
 
 
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