2023年3月16日 診療するうえで非常に重要なポイントとして保定があります。今まで小生は色々な保定の方法を紹介してきました。なかなか難しい技術であり、小生は今現在も日々精進しております。 先日牧場スタッフの方が牛を捕まえるところを見ていると、かなり苦戦していました。何がいけないのだろうかと観察しているとあることに気が付きました。それは何かといいますと・・・ 捕まえる時に呼吸があっていない。 なんだそりゃ??と思いますよね。 実は小生は捕まえる時に、とにかく相手の呼吸を少しずつ落ち着かせるように意識しています。牛をバタバタさせないように、呼吸が速くならないように細心の注意をはらいます。最初は走り回っている場合でも、相手の目を穏やかに見つめて、自分が呼吸を落ち着かせて、動きを緩やかにし、殺気を消して、様子を見ます。徐々に自分の呼吸と牛の呼吸を合わせてゆったりとした雰囲気を作ることを最重要ポイントとしています。 そして、そのような状態になった時におもむろに保定行動にうつります。 なかなか落ち着かない場合も多々あります。完全に落ち着いた状態にならないときもあります。小生もよく苦戦することがあります。しかし、このような意識で保定に取り組むことで、保定は確実に上達すると思います。 ひょんなことから保定する時に一番核となる技術は何だろうかと考えた時に、この「呼吸を合わす」ということが思い浮かびました。安全で素早い確実な保定は獣医さんや農家さんの必須技術だと思います。診療だけでなく、保定の技術も是非精進してみてください! |