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松本大策のコラム
「シコリがでたらどうする?(その1)」

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2007年11月26日


 枝肉の異常で、なかなか原因や解決法が分からないものの1つに「シコリ」があります。枝面を見たときに「おーっ、なかなかいいサシじゃん」って思ってたのに、「ウ」が打たれて「シコリだよ」っていわれるとがっくり来ますよね。
 シコリにも2種類あって、筋肉水腫が進行して起こるシコリは、炎症の最終段階といわれる結合織の増生した(いわゆるスジ)ものです。最近増えているのは、もう一つのシコリで正式には脂肪置換症と呼ばれるものです。ロースなどでも見られることがありますが、最も多いのはカブリ(僧帽筋)です。
 筋肉水腫の進行したものは、元々の原因が分かっていますから、ルーメンのトラブルをなくすとか、ビタミンA欠乏を防ぐとかで対処出来るのですが、脂肪置換症の方は原因すら分からないのでなかなか対処が難しく、相談を受けても手探りで農家さんと一緒に取り組む事例が多いのです。今回はちょっと脂肪置換型の「シコリ」について考えていることを2週に分けて書いてみたいと思います。
(つづく)
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