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肥育牛の飼料給与の方法は、それこそ農場の数と同じくらいあります。エサやりの回数だけでも、一日一回ですませている農場から自走式自動給時期で一日十回にも分けて与える農場まで様々です。 それでは、いったい一日何回給餌するのが理想的なのでしょうか?僕の考えでは、最終的に飼料摂取量が増えて病気が出なければ、一日何回給餌でもかまわないと思っています。実際、給餌回数を減らしたところ、牛さんがゆっくり座れるようになって結果的に飼料摂取量が増えた、という農場もありますし、逆に給餌回数を2回から3回に増やしたところ飼料摂取量がふえた、という農場もあります。どちらの農場も肉質もよくなりました。 ただ、1つだけ僕が注意していることがあります。それは、いずれの場合でも飼槽の掃き寄せ(食べ残しを掃き寄せて集めること)だけは、きちんとやっていただくということです。これはTMRでも同じです。TMRというと「粗飼料も濃厚飼料も一度で給与出来るラクな飼料」というイメージがありますが、それは間違いです。TMRは本来、理想的な割合で粗飼料も濃厚飼料も食べさせるためのエサなのです。しかし牛さんは器用ですから、与えっぱなしでは、たとえばトウモロコシだけを選び食いしたりします。そのため、TMRでもこまめに残滓を掃き寄せてかき混ぜてあげる必要があるのです。 僕の知る限り、よい肉質を作る農場では1日に6回から8回飼槽の掃き寄せをされる所が多いのです。みなさんも、まだ飼槽の掃き寄席が少ないところでは、だまされたと思ってやってみませんか?飼料摂取量が必ず上がりますよ。
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