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松本大策のコラム
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2023年2月13日

 先日の雪は大変でしたね。平地で15cmほど積もった栃木県の那須塩原ですら車に積もった雪や水道栓の凍結破損で大変だったので、日本海側の豪雪はどれほど大変な想いをなさったのだろうと思います。

 ところで、今回は以前もお話ししたかもしれませんが、表面は治ったように見えて、実は痂皮(かさぶた)の下で深く進行している化膿や壊疽のお話です。ビデオが撮れたので、それも載せておきます。

 かさぶたができているとなんとなく「もうすぐ治るな!」と安心してしまいますよね。しかし、僕はコンサル先や診療している農場の方には、「必ずかさぶたの周りが硬くなっていないか、変にふわふわして中に液体やクリームみたいなものがたまった感じがしないか、を確かめてください」とお願いしています。
 意外にかさぶたの下が密かに化膿していたり、壊疽を起こしたりしていることが多く、ひどいときには皮膚の下が直径50cmほども化膿していた!なんてことがあるのです。
 
 ですから、必ずチェックして早めに処置しなければなりません。チェックの仕方は、先に書いたようにかさぶたの周りが硬くなっていないか、変にふわふわしていないかチェックし、疑いがあったらピンセットやはさみの片方などで引っ掻いたり軽く刺したりしてみます。内部が化膿しているときにはズボッと中に入ってしまいます。

 もし内部が化膿や壊疽を起こしていたら、十分に内部を掻爬(掻き取る)して、できたらオキシドールで洗浄し、ペニシリンなどをしみこませたガーゼを充填し、これを毎日繰り返します。
 ときには内腔の大きさに合わせて表皮を切除することもあります。大変そうですけど、放置するともっとやっかいですよ。

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