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松本大策のコラム
今の若い獣医さんは、こんなひどいことしないかな?

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2023年1月30日

 あと数日で61歳になってしまう松本です。
 もう、老体にこの寒さ。冗談じゃないです。それでなくても明日は日光の標高1,500mの牧場のコンサル(めっちゃ雪深い)、あさってから宮城県のコンサルなのに😢

 ところで、牛さんは顔とか肩とかに大きな膿瘍(アブセス)をつくる事がありますよね。切開排膿で治るものは問題ないのですが、時には切開するとその後よけい大きくなるものや根っこが深くて、どうしても摘出しなければならないものがあります。

 そういうとき皮膚まで丸く切り取らなければならない時、どうすると思いますか?若手の真面目な獣医さんでしたら、「うーん、まず減張切開して表皮を寄せて縫合して..。」と考えるのではないかと思います。

 でも、僕らおじさんチームは、「えーい、面倒だからえぐっちゃえ」って感じで摘出します。そのあと縫い合わせたりしません。烙鉄(焼きごて)でえぐり取った部分を焼烙したあと、薬用の炭の粉をまぶすだけ!

 大きな膿瘍摘出をすると、時には子供の頭ぐらいの陥没ができます。それでも大丈夫!牛さんの再生力を舐めてはいけません。焼烙も傷の再生力増強に一役買うようです。薬用炭をまぶすのは、漿液の吸着や殺菌の他にとても大切な役割があるからです。

 それは、「傷口が痛々しく見えなくなる!」ということです。これって畜種さんには結構大切なことです。

 こちらは摘出、焼烙後3週間目の写真です。きれいに治ってきているでしょ?子供の頭くらいの塊を取り出した痕も数ヶ月できれいに解らなくなります。

 たまにはこういう昔風の紹介もいいでしょ?

○実はYoutubeもやってるんです。

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