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藤﨑ひな子のコラム
脱水③

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2023年1月6日

あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて今回は、前回に引き続き脱水についてお話ししようと思います。前回は低張性脱水についてお話ししました。低張性脱水は主に水分よりもNa+が消失する脱水で、重度の脱水症状にあたることをお話ししました。
 今回は等張性脱水についてお話ししようと思います。混合性脱水とも呼ばれます。等張性脱水とはNa+と水が比較的等しく消失する脱水です。等張性脱水を引き起こすものとしては、出血やネフローゼ症候群(腎障害などによって血中のタンパク質が減ってしまう病態)、および下痢などがあります。出血では細胞外液である血液や間質液がそのまま失われます。また、下痢においては消化液が失われます。細胞外液の水とNa+が同程度失われるため、細胞内から細胞外、もしくは細胞外から細胞内への水の移動は行われません。ですので、細胞外液、血液量が不足している状態と考えられます。
 等張性脱水では、先にお話しした高張性脱水および低張性脱水と同じように脱水症状が現れます。脱水症状は低血圧による頻脈、皮膚の張りの減少、眼球陥没でしたね。この症状はどのタイプの脱水でも見られやすいです。
 3回にわたってタイプ別に脱水についてお話ししました。表にもまとめましたので、ご覧ください。乾燥の季節ですが、私たち人間も脱水にならないように適度な水分補給を心掛けたいものですね。


 
 
 
 
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