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原田みずきのコラム
初雪

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2022年12月22日

先日、鹿児島は初雪が降りました。平野部では雪は積もらなかったのですが、高原地帯にある旦那の家は15センチほど積もりました。

北海道に住んでいる友人に写真を送ったら、北海道とあまり変わらない風景だと言われてしまいました。鹿児島北部は意外と寒い。住んでみて4年目で痛感しました。

さて、今回のコラムではハッチの消毒についてお話していきたいと思います。

洗浄が終わったハッチが完全に乾いたら、トライキル(もしくはクリアキル)を既定の濃度で薄めた消毒液を、ハッチの床や壁にまんべんなくジョウロで散布します。こちらも散布後はしっかりと乾かします。

消毒薬が乾いたら、バーナーで床と壁を炙っていきます。これは主に消毒薬などに高い耐性を持つ、クリプトスポリジウムの対策に行っています。うちでは以前クリプトスポリジウムによる子牛の下痢が多発していたのですが、この工程を粘り強く行うことで発生はほぼ抑えられるようになりました。

炙ったあとは仕上げに石灰乳を塗り固めます。塗布には建築塗装用のリシンガンを使用しています。いい感じに塗り固めるコツは、石灰乳を薄めに作ることです。目安はたこ焼きの生地くらいのサラサラ具合です。濃く作りすぎると乾燥させた後にポロポロと石灰が剝がれてしまうそうです。

石灰が固まったら藁を敷いてコルツヒーターをぶら下げて、子牛ちゃんをお迎えする準備が完了、、ってこらー!(笑)

猫ちゃんも思わず寝たくなるくらい快適空間なんですかね。
お迎えした子牛ちゃんは3~4か月ハッチで飼ってから群飼育に移行し、使っていたハッチは同様の消毒方法を繰り返しています。自然乾燥を繰り返す作業があるため、準備に1週間ほどかかることがありますが、ハッチエリアの病気(特に下痢)は確実に減ってきているので効果はあると思われます。もし子牛の下痢などで困っている農家さんがいらっしゃいましたら、参考になれば幸いです。
 
 
 
 
今週の動画
子牛のナックルについて

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